新分野ジョイントワークショップ7月31日開催報告

7月31日、墨田区庁舎で第3回新分野ジョイントワークショップを開催いたしました。

新分野ジョイントワークショップは研究現場のものづくりニーズに対して町工場の知恵を集め、
新しいものづくりチームをつくっていこう、と昨年からはじめられた取り組みです。

医療や宇宙開発等、多くの産業が生み出される基礎研究を担う研究現場ですが
新しいものを生み出す現場には常にカスタマイズされた研究機器や誰もつかっていないちょっとした道具のニーズが
あります。これらを町工場の知恵と共に解決していこうという試みがこのイベントになります。

7月31日のイベントでは

話題提供者4名
町工場参加者22名 が集まり、研究現場のものづくりニーズについてディスカッションがなされました。

<話題提供者>
東北大学大学院  農学研究科 青木優和 准教授
東京薬科大学   生命科学部 福原武志 助教
株式会社リバネス 教育開発事業部 藤田大悟
株式会社リバネス 地域開発事業部 長谷川和宏

<基調講演> 墨田加工株式会社 代表取締役社長 鈴木洋一様
研究者や企業とコラボレーションして新しい製品開発を行っている町工場の先進事例として
次世代型車イスを開発するベンチャー、株式会社WHILLと新しい車いすの外装を開発した
墨田加工株式会社の鈴木様から、新しい人たちとコラボレーションするコツを伺いました。

鈴木様は多くの展示会や交流会に出席。年間500を超える新しい出会いの中から10の出会いを形にしていく
その行動力が、イノベーションを生んでいます。

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<セッション>
テーマ提供者①:東北大学大学院 農学研究科 青木優和 准教授
潜水生態学研究における調査用具のニーズについて

藻場の環境とそこに生息する動物について調査を行う青木先生はフィールドワークにおいて
手作りの調査道具を多く持っていました。自分で改良を重ねるには限界がある、ということで
今回は主に4つのテーマについて話し合いました。

・海洋調査道具を携行できる、浮きロープ
調査中に道具をひかっけておける、浮き付きロープ

・海中で折りたたみ可能な藻場調査用のコドラート
藻場調査に欠かせない方形枠ですが大きくてかさばるので海洋調査中も動きにくい。
折りたたみ可能な形にしたいという要望。

・ウニ計測用ノギス
ウニの個体数調査をする際に市販のノギスに自分で工夫をして使っている。
精密さは必要ないので刺のあるウニの計測がしやすい形に改良したい。

・サンプル携帯用の袋
サンプルとなる節足動物等は穴をあけたチャック袋にいれているが
今は自分で剣山で穴をあけてつくっている状態。もっと効率よく、穴を均質化した
袋をつくりたい。

これらの道具はダイバーや水産関係者が使うこともできるので一定数の需要はあるのではないか
という期待のもと、いくつかを試作してみることに。

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テーマ提供者②:東京薬科大学 生命科学部 福原武志 助教
細胞培養実験に関する装置について

研究で細胞を扱う福原先生は新しい実験について自分で相違工夫してチャレンジしていらっしゃいました。
何ページにも渡るアイデアノートとともにご参加くださった先生の、いくつかの課題の中から
細胞培養に関する実験装置のアイデアをご紹介くださいました。

■細胞培養用の溶液交換装置/細胞の染色・洗浄装置
細胞培養では小さなセルに溶液を浸し、ひたすら撹拌や液の交換を行わなくてはならず、手間をとる作業が伴う実験です。
しかも、どの装置も外国製が多く、高価な装置もたくさんあります。
福原先生のアイデアで、市販の細胞培養用の溶液交換装置に改良を加え、もっと安価で使いやすいものにするための
ディスカッションを行いました。

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株式会社リバネス 藤田大悟
今は海外製のものを輸入している、教育用で用いるモデルロケットのキット開発についてMADE in Sumidaのものを
つくるためのアイデアを話し合いました。

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株式会社リバネス 長谷川和宏
長谷川からはリバネスに寄せられる今回参加できなかった研究者の案件を紹介しました。

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