毎日新聞のチャレナジーとリバネス丸幸弘の対談記事

リバネスが主催するシードアクセラレーションプログラム「TECH PLANTER」の発掘イベント第1回テックプラングランプリで最優秀賞を受賞した株式会社チャレナジーの取り組みに関して、弊社CEO丸幸弘の対談記事でございます!

毎日新聞のニュースサイトから引用(http://mainichi.jp/)
IT・テクノロジー躍動する科学ベンチャー
台風で電気「垂直軸型マグナス風力発電」のすごさ
2015年12月7日丸幸弘 / 株式会社リバネス最高経営責任者

http://mainichi.jp/premier/business/articles/20151204/biz/00m/010/017000c

こういった取り組みに興味がある方はTECH PLANTERのホームページまでお越しください!
http://techplanter.com/entry/

研究者、町工場を訪問する

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東北大学大学院農学研究科准教授 青木優和さん(右) 有限会社サトウ化成 佐藤憲司代表取締役(左)

町工場はどのように研究者の課題を解決できるのだろう。今回、昨年の研究現場のものづくりニーズと町工場の技術をマッチングする事業、新分野ジョイント事業に参加し、町工場でものづくりの相談にのってもらえることを知った東北大学大学院、農学研究科准教授の青木優和さんと町工場との打ち合わせに密着した。青木さんの専門は海洋生態学。東日本大震災で環境が変わってしまった海中の藻場や、そこに生息する生物の生態を調査する研究を行っている。潜水しての観測や、新たな現場実験系を組んだりすることも多く、観測用具やサンプリングに使う道具を自作することもたびたびあった。町工場を訪問するのは初めてだ。

コーティング技術を海中調査に活かせないか?

海洋の藻場で植食動物である巻貝類やウニ類の移動を制限できれば、海藻群落への影響をコントロールできるはずである。動物の付着基盤への接着過程をコーティング剤で阻害できないかというアイデアが、フッ素や硝子のコーティング剤を扱う有限会社サトウ化成佐藤さんへの今回の訪問のきっかけとなった。佐藤さんはテトラポッドに使っている硝子コーティング剤を紹介。汚れや傷防止のために自動車などに使われている素材だ。使用例や予算感など、研究者にとって初めて聞くことばかり。「植食動物の移動制限だけでなく、海洋観測道具のサビ防止など、いろいろな場面で使えそうですね。」と青木さんにも好感触だ。この件は海の中での使用感や耐性など持ち帰って実験をすることになった。
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打ち合わせ中の青木さん(左)と佐藤さん(右)

海洋観測現場での可能性を感じる

この日は佐藤さんのウレタンの抜き加工の工場も見学し、同素材を使った製品や、加工の仕方などを見せてもらった。工場には緩衝材、ゴムパッキンなど様々な用途の製品が並ぶ。素材の硬さ、厚さ、スポンジの粗さなどで性質や用途が変わることを実感した青木さんも、「これはどうすればつくっていただけるのですか?」と興味津津。「イメージ図面をいただければ型を起こしますよ」。ウレタンにかぎらず、同じ型で紙やプラスチックなどでつくれるかたちもあって、加工工場の可能性を実感した。潜水調査中の位置マーカーとして、ウレタンフロートを使うアイデアも出て、端材の中から適切な硬さや粗さを持ったものをいくつか持ち帰って試してみることになった。「海洋観測では、海水でサビないよう道具をメンテナンスしたり、動きの制限される海底での作業を行いやすいように道具を工夫したりする必要があります。コーティングの用途の幅広さを知ることができ、ウレタン1つとっても様々な種類があること、いろいろに加工できることを知って、海洋観測の現場での活用の可能性を実感しました。町工場のみなさんのものづくりの経験値が非常に頼りになりますね」
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様々なウレタン素材

青木さんの初めての町工場訪問は、大きな収獲があったようだ。今後、青木さんと佐藤さんでチームを組んだ海洋観測道具の新たなアイデアグッズの誕生に、期待が持てる。

今回の訪問先:有限会社サトウ化成

http://satokasei.com/company

ウレタン(スポンジ)緩衝材、各種パッケージ、両面テープシール、ゴムの打抜き加工及び梱包加工、フッ素コート加工を手がける墨田区の町工場。従業員4名で、佐藤憲司さんは同社の2代目代表取締役。

研究現場の新しい実験機器を考えよう!10月30日新分野ジョイントワークショップ開催!

くもらないシャーレがほしい

試薬びんのキャップを新しくしたい

株式会社リバネスでは、研究者と町工場で新研究装置の開発アイデアを話し合う、新分野ジョイントワークショップを開催いたします!新しい研究、新しい実験系に必要な装置、普段の研究をより効率化するためにちょっとした工夫が必要な実験道具、などありませんか?素材や加工の知識に長けた町工場の方に相談することで、そのアイデア、実現するかもしれません。

◆日時
10月30日(木)19時-21時 墨田区役所121会議室

アクセス http://www.city.sumida.lg.jp/sisetu_info/kuyakusyo/sumidakuyakusyo.html

◆プログラム内容
1.研究者の自己紹介・研究紹介・つくりたいものの紹介 20分

研究現場のものづくりニーズについて、研究者から発表していただきます。

2.参加者のディスカッション① 30分

どんなものがあったら研究は加速する?

そのニーズに応えるためにはどんな方法がある?

素材の観点、機能の観点、などから町工場の技術者と考えます。

3.参加者のディスカッション② 30分

4.アイデア共有 20分

*終了後は希望者で懇親会を行います。

◆ものづくりテーマ
−海洋調査に用いる浮きつき携行用ロープ

−海中で貝類やウニ類を排除するための囲い

−実験機器自動洗浄装置

−教育用モデルロケット開発

◆前回の様子
株式会社リバネスと墨田区が主催する超異分野学会にてジョイントワークショップを行い、

臓器培養装置の設計やマイクロ流路装置を量産する方法、など新しい研究に向けて

様々な研究装置のニーズが研究者から提示され、町工場のベテラン技術者とディスカッションしました。

テーブルA 聖マリアンナ医科大学 川島一公さん

菌を通さない卵巣の体外培養装置をつくりたい、という川島さんのニーズに対して、市場で出回っている膜や接着剤の情報提供とアイデアブラッシュアップを行いました。

テーブルB 中央大学 戸森央貴さん

人工筋肉という素材に対して医療用途以外の用途での使用方法をディスカッションしました。町工場から出た、金属プレス加工の現場で小型で高出力なアクチュエーターとして使えるのではないか、という話で盛り上がりました。

テーブルC 東京大学 池内真志さん

細胞培養時の培養と送液のための流路をシリコンゴムを使って手作りで行っている。その品質を安定させたい、という要望に対して、シリコンゴムを鋳型から外す際にゴムがちぎれる問題をプレス成形で大量生産できる可能性が示唆されました。

テーブルD 東京理科大学 飯島一智さん

精密度の高い1mm以下の微細流路をつくる際に、精度高く量産できる方法を考え、プラスチック加工企業さんから作り方を変えずに精度を高められる方法が提案されました。

http://r.lne.st/rs/10080

TOKYO油田 2017

天ぷら油で車が走る

町工場と住宅が混在する墨田区で、ひときわ目立つワゴン車がある。車体にはかわいらしいイラストとともに大きく描かれた「油回収します」の文字。染谷さんが社長を務める株式会社ユーズの天ぷら油回収ワゴンだ。株式会社ユーズでは、家庭や飲食店の使い終わった食用油を回収し、リサイクルを行っている。特に注目を集めるのが、回収した使用済み食用油をリサイクルして作り出すVDF(Vegetable Diesel Fuel)燃料だ。100Lの使用済み食用油から95LのVDFを作ることができ、硫黄酸化物も出さないクリーンエネルギーとなる。「現在、全国の家庭と飲食店で排出される使用済み食用油は年間40万トン。そのうちで家庭から排出される分は約半分。それらはほとんどが廃棄されているんです。そのすべてをVDFにできたら、20万台のディーゼル車を走らせることができる。私たちは、2017年までに東京のすべての使用済み食用油をリサイクルする仕組みを作ります」。まっすぐな瞳で染谷さんは語る。

世界で初めて事業化した廃食油リサイクル

染谷さんがVDFを開発したのは今から20年前。油のリサイクル工場である染谷商店を経営していた両親のもとで働いていた当時、アメリカで大豆からバイオ燃料を開発したというニュースを聞いた。「大豆油でできるなら、使い終わった天ぷら油でも燃料が作れるはず」。そう思った染谷さんは廃食油に含まれる不純物を取り除く触媒と、その触媒を使った廃食油のリサイクル装置の開発に着手。1年間の試行錯誤の末、1993年に世界で初めて使用済み食用油からバイオディーゼル燃料を精製することに成功した。その後、使用済み食用油の回収業務を担う株式会社ユーズを立ち上げ、リサイクルを行う染谷商店との分業により事業を展開している。

理念の発信がリサイクルを加速する

「VDFはリサイクルの1つ。天ぷら油を活用できる製品はたくさんある。重要なことは、個人の家に眠っている資源を回収するネットワークをどうやって広げていくかです」。技術だけではリサイクルは進まない。だからこそ染谷さんは、2017年という具体的な期限を示し、東京に油田をつくるという大きな目標を掲げている。その目標の実現に向け、現在、首都圏約200か所のカフェ、薬局、スポーツクラブなどで家庭の使用済み食用油の「回収ステーション」を設置している。

さらに、地域の人々から提供された使用済み食用油をVDF化し、それをイルミネーションで使用する発電機に入れ、エネルギーの地産地消のお手伝いをすることや、イトーヨーカドーなどショッピングセンターとの連携など、様々な取り組みを行っている。「子どもって、天ぷら油で車が動くことよりも、天ぷら油から石けんができることのほうがびっくりするんですよ。今の子どもにとっては、石けんも身近なものではなくなっているからなんでしょうね」。染谷さんは、時代とともに変わりゆく変化を感じながら、社会を変えるチャレンジを今も続けている。

(文・長谷川 和宏)

プロフィール

1968年生まれ。1991年に環境問題の解決を目指し、油のリサイクル業を行う染谷商店に就職。その後企画営業部を経て、1997年に独立し、株式会社ユーズを設立。

 

 

石けんへの想いが起こす、人と人との化学反応

東京都墨田区は、かつて、花王の前身である長瀬商店や資生堂、ライオンやミヨシ石鹸などが軒を連ね、石けんの製造が盛んに行われた「石けんの町」である。その町で、1908年に創業、現在まで石けんづくりを見つめ続けてきた会社がある。

最終消費財をつくることへのこだわり

「石けんは、混合や練合ではなく化学反応でつくる製品。独特の製法が大きな付加価値を生み出す」と語るのは、創業105年を迎えた老舗石けん・化粧品製造会社、松山油脂を率いる松山剛己さんだ。石けんは時代の変化の中で、単に「身体を洗うもの」という機能のみならず、使う人の好みや気分に合った感性豊かな特徴が求められるようになった。石けんは油脂と苛性ソーダのシンプルな化学反応でつくられるが、水溶性、洗浄力、泡の量や泡立ち方の違いなど、石けんの使い心地は脂肪酸の種類で決まる。松山油脂では大きな釜に原料を仕込み、その反応を人の目で確かめながらつくる、昔ながらの「釜焚き製法」によって天然原料から素材の持つ有用性を生かした石けんをつくっている。「お客様が毎日使うものだからこそ、安心安全で、環境にもやさしく、長く使い続けていただけるものを」。最終消費財である、ディリープロダクトをつくる松山さんのこだわりだ。

石けんづくりへの想い

今は家業を継いで石けんづくりに邁進する松山さんだが、学生時代は「何かで起業したい」と考えていたという。大学を卒業後、「製品をお客様に提案する仕事」に興味を持ち博報堂へ就職。その後、三菱商事へ転職するが、父親から松山油脂を廃業する意向であることを聞き、後を継ごうと決意、石けんづくりに向きあうことになる。「何十億円と大きな金額が動く仕事だとしても、それが目に見える形を持ち、自分自身で実感できるものでなければワクワクしない」。製品の作り手が、その使い手となることができる石けんづくりに、やりがいを発見する。やがて松山さんは、父親から会社を譲り受ける。当時下請け事業のみだった松山油脂に自社ブランドを立ち上げ、石けん以外にも、ボディソープやヘアケア製品からスキンケア製品までカテゴリーを広げていった。当時、苦しい経営を強いられていた松山油脂は、成長企業へと躍進していく。

製品に心を動かされた人が集まる

松山油脂では、大々的に求人を行わない。「メーカーは、製品そのもので勝負すべきだと考えています。美辞を並べることより、製品が会社を語ってくれます。その製品に感動して一緒に働きたいと手を挙げてくれる、そんな人と働きたい」。松山さんの言葉通り、同社で働くのは、皆、製品に心を動かされて集まってきた人たちだ。その中には理系の研究をしてきた21名もいる。研究開発部、富士河口湖工場には研究農園を有し、原料にこだわる同社では、理系の研究を生かせる仕事もある。しかし、専門分野だけではなく、生産管理や工場勤務など、製品ができ上がるまでのプロセスに向きあうこともある。「市場にある何千何万という製品の中で、お客様にお選びいただく一つになるためには、原料、品質はもちろん、パッケージデザインから販促物のメッセージまで、細部にわたってお客様の視点で吟味しないといけない」。お客様、会社の仲間のために、飽きることなく考え続け、そして、行動できる人だけが、松山油脂でモノづくりをすることができるのだ。お客様へ最高の価値を提供するために、妥協しない仕事がしたいと思う人が自然と集まる。真摯なモノづくりの姿勢が、販売店やお客様を引き寄せ、また、新たな仲間をも引き寄せている。(文・前田 里美)

プロフィール

1964年、東京都生まれ。株式会社博報堂、三菱商事株式会社を経て、1994年、家業である松山油脂合名会社(当時)に入社。2000年、同社代表取締役社長に就任。他、株式会社マークスアンドウェブ、株式会社北麓草水社の代表取締役社長も務める。

 

加藤製作所

加藤製作所

加藤雅規様

リバネス:吉田、齊藤

 

調査員メモ

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台帳:2628、加藤製作所

担当:吉澤、7/9、03-3622-5512

家族経営で社長が1954年生まれの加藤庄藏さん。

面白い点

東京都市大学(旧武蔵野工大)卒業の息子(32←同い年だった)が技術を持って帰ってきている。今までは鋳造用の金型などを作っていたのだが、そこでは全然儲からなかった。息子(雅規:まさのり)さんが趣味のスポーツカートに関係する部品(タイヤのハブだそうな)を開発し、自社ブランドで販売を始めた所、売上が伸びつつある。対応してくれたのは親父さんだそうだが、終始ニコニコ顔での対応だったそうな。その他、携帯ケースや建築関係のダクトの部品なども作っている。墨田区八広に工場を持っている。

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インタビューノート

・  加藤製作所の事業

  • 元々、鋳造用の金型などを作っていたのだが儲からなかった。簡単にまねが出来てしまう技術なので、仕事を中国に取られしまった。仕事がないからレーシングカートやバイク、レース柄身の部品を作り始めた。(金型は部品加工の中でも単価が高いから受注数が減ってもやっていけている)

・  レーシングカートやバイク関連の事業展開

  • よくバイクレース会場に行ったりしていて、バイクレース関連の人たちから人づてに仕事がくる。現在はレーシングカートやバイク、レース絡みの部品を製造している。メーカーが物を作るというのは図面書いて、図面通りそっくりそのまま作ることだが、我々が手がけるのはバイクレース現場で図面から何から何でも飛んでくるそういうのに対応できる力が必要。漠然としたもの「こういうの欲しい」とアイデアベースのものを形にする力を持っているそこが強みである。

・  加藤さんの背景

  • 大学出て9〜10年たったが、卒業して入社した本田の研究所(三次元のモデリング)に1年ちょっといたが、実家がばたばたになり戻ってきた。
  • 金型だけでは、つまらないかった。だから食っていくのは金型で、残業で新しいことを始めた。好きな事やるためにトリプルK(レース関連部品)をやった。
  • クラモチハウジングと建築関連もやった。床下の空気入レカエの冊子を開発に着手した。建築関連は出来てしまえば10年間同じ金型を使うので、1個出来てしまえば管理するだけなのでやり始めた。

 

・  自分の強みは適当な事言われても創れる。

  • 研究者のような分野の人の要望は応えられる。しかし直接繋がれる事が出来ないので、間挟むんでいる。そこを繋いでいただけるともっと幅広い事業が出来る。
  • きっちりした図面を創るのはどこでも出来る。ここらへん任せるということをやるのが重要。
  • もの創る技術と人コミュニケーションとネットワークが重要である。常に現場に行って、ニーズやシーズを探すことをしている。

・  仕事の受注先

  • 商社が間に入っていると直接はなしが出来ない。結局、商社はお金儲けがしたいので、時間や手間をかけたくないと考えているため、いいものが出来づらい。
  • 外注という樹脂関連の金属加工(東大の実験装置、流体関連、ロケット中部大)の予算取っているとこもある。そういうところが勝とう製作所を使ってくれている。他にも大学や研究室を取りまとめられるとこがあればすごくいいと思う。

 

・  製造業の固定化されていたビジネス

  • 以前は商社を通して買っていたものが現在ではHPでのやり取りが増えている。結局、商社を通しても中間マージンを取られている。HPでも普通の受注、発注に繋がってきているのを最近実感している。時代の流れが変わってきている。

 

・  販路について

  • レースカート関連では横のつながりでビジネスをやっているので販路開拓は特に考えていない。バイクはトップカテゴリーで有名な選手の部品をつくっている。
  • iphoneケースは商社ベース、自社HPで売りたい。iphoneケースは名刺代わりで作っている。最初のきっかけ作りとしてやっているので、特に事業の中心にしようとは考えていない。
  • 四輪関連は人伝が多い。依頼に来る顧客に全然知らない人はない。何かあったら人の紹介でに勝とう製作所にくる。
  • HPも作り直し最中。自分の知らない人とビジネスが出来るようになればいいと考えている。
  • 人伝は高齢だと厳しいと思う。昔の人、リーマン前は死ぬほど仕事があった。図面がどんどん送られてきて、特に見積もりがくる訳でもなく金額も暗黙の了解でありどんどん機械を動かせばよかった。こうなってくると、営業する必要がなかった。

・  今後

  • 我々が残っていくには、何か創りたい人と直でやっていくビジネスだと思う。そうすれば単価的にも中間マージンがなくでき、要望も正確に捉える事が出来る。
  • 実験装置はそれなりの金額するし、量産型が難しいと思うので、その市場に参入を検討している。
  • これから利益出る為には、本物の付加価値をつけていかないといけない。
  • 共通言語をどうにかしたい。中間がいないため、上手くつながれてない人が多い。

 

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イケてる研究者はスピードが違う

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当社比600%のスピードアップを実現!

 

冗談のように表現してみましたが、ここに書かれているスピードは事実です。今までのコームの常識を覆したメガコームを3枚使ったテラコームによる実験をあなたも実現してみませんか?

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町工場が研究スピードを加速する

浜野製作所 代表取締役 浜野 慶一

株式会社リバネス 執行役員 長谷川 和宏

大企業の海外への生産拠点の移行、中国をはじめとしたアジア諸国の台頭、後継者不足など、様々な角度から日本のモノづくりの基盤を支えた町工場の存続が危ぶまれている。そんな中で3月1日、リバネスは墨田区の町工場である浜野製作所とともに町工場、研究現場双方の活性化に向けた新たなサービス『Engineer GARAGE(通称:E-GA)』をスタートさせる。研究スピードの加速と研究コストの削減というコンセプトを形にした製品の第一弾は、電気泳動の効率を最大6倍まで引き上げる製品だ。

電気泳動の効率を加速する、平凡な製品

長谷川 今回、発売開始する第一弾の製品「メガコーム」は、電気泳動の効率を最大6倍まで引き上げます。
とはいっても、要は電気泳動で使うゲル用のコームの歯を細かくして、3個を一度にセットできるようにしただけなんですけどね。

浜野  私の会社は金属加工を中心に、長年色々なモノづくりをやっていますが、
まさかこんな需要があるなんて思ってもいませんでした。
シンプルな構造だったため、大きな技術的課題もなく作ることができました。

メガコーム

メガコーム

長谷川 たしかにリクエストとしてはとてもシンプルです。
ただ、細かいこだわりがたくさんあるんですよ。例えばコームの歯の数は34個。
左右の端にマーカーを流して、残りの32個の穴にサンプルを入れるためです。
これを1枚のゲルに3つセットすれば96サンプルを流せます。
サーマルサイクラ―は96ウェルが一般的なため、その数に合わせたんですよ。

浜野  そういう発想は、私たち町工場の人間には絶対にできません。
大学の研究室でどんな研究をしているなんて、想像もできませんから。

メガコーム

普通の町工場に特別な技術はない

長谷川  でも、この製品を思いついたのは、実は浜野さんとのディスカッションがきっかけです。
私は元々大学院の専攻が機械工学だったんですが、日本の町工場に一つ大きな疑問があった。
それは、「本当に町工場に独自の高い技術なんてあるのか」ということ。
そんな疑問を浜野さんにぶつけたんです。

浜野  そうそう。
テレビや雑誌で紹介されるような独自の真似できない技術を持っている町工場なんて、
実際はほんの一握りの熟練の技術を持つ職人がいるところだけ。
普通はそこまで特化した職人はいません。
そうすると、技術=工場にある設備ですから、
乱暴な言い方をすれば同じ設備を入れれば同じ技術を持ってしまう。
もちろん、そこから色々と工夫はできますが。
でも日本のモノづくりを支えてきたのは、実はこういう会社なんです。

研究現場は宝の山

長谷川 その話を聞いて考えたのは、誰にも真似できない技術ではなく、
アイディアで付加価値を付けなければいけないということです。
色々と考えていたら、学生時代に自分で実験装置を設計していたことを思い出したんです。
オリジナルな実験装置を作りたい、研究室の備品をちょっとカスタマイズしたいという
研究者のニーズは他にも絶対にあると思いました。
あとは実験機器もシンプルな構造なのに、なぜか高価なものも多い。
リバネスがハブになって研究者のニーズと町工場を繋げることで、
輸送コストがかかる上に細かいニュアンスを伝えられない海外の工場より、
安価でいい製品をつくることができると思ったんです。

浜野  たしかに、私たちもアイディアを教えてもらえば、
できるだけ安価で便利にする工夫を考えることができます。
大量生産しない小ロットなモノなら、よっぽど安い価格で品質の良いものをつくれますよ。

長谷川 ただ、そういうコンセプトを固めた後で解決しなければならなかったのが、
研究者へのアピールの仕方です。
なんでも作れますという広告を出しても、イメージがわかない。
だから、できるだけシンプルで、研究者が喜ぶものをコンセプト製品として作れば、
それを指標に色々な要望をもらえると思いました。
そして生まれたのが、MEGA COMBだったんです。

コミュニティビジネスとしてのモノづくり

浜野  そういえば、コームに書いた「Designed by リバネス Assembled in 墨田」
というフレーズも面白いですよね。

長谷川 これは、町工場を活性化しようというE-GAのコンセプトを表したものなんです。
特別な技術を持たない町工場は全国にある。
そして、大学も同じように全国にある。
町工場の多くは、従業員数も少ない分、そんなに大きな売り上げがなくてもやっていくことができる。
だから、地域の大学と町工場をつないでいけば、地域で完結するコミニティビジネスとしてモノづくりを実践できるはずです。
町工場の技術者が研究者のパートナーになれれば、実験機器を改良して効率化したり、
高い機器を買わずに研究コストを抑えられるんです。
まずは浜野製作所と一緒に墨田区の町工場を盛り上げて、そこで得たノウハウをもとに、
いろんな地域で大学と町工場のネットワークを全国につくっていきたいですね。

 

第一弾:MEGA COMB