新分野ジョイントワークショップ10月30日開催報告
10月30日、墨田区庁舎で第4回新分野ジョイントワークショップを開催いたしました。
新分野ジョイントワークショップは研究現場のものづくりニーズに対して町工場の知恵を集め、
新しいものづくりチームをつくっていこう、と昨年からはじめられた取り組みです。
医療や宇宙開発等、多くの産業が生み出される基礎研究を担う研究現場ですが
新しいものを生み出す現場には常にカスタマイズされた研究機器や誰もつかっていないちょっとした道具のニーズが
あります。これらを町工場の知恵と共に解決していこうという試みがこのイベントになります。
10月30日のイベントでは
話題提供者3名
町工場参加者10名 が集まり、研究現場のものづくりニーズについてディスカッションがなされました。
<話題提供者>
聖マリアンナ医科大学 吉田泰之助教 藤野絹代さん
福山大学生命理工学部 山口泰典教授
琉球大学理学部 本郷宙軌助教
<セッション>
テーマ提供者①:聖マリアンナ医科大学 吉田泰之助教 藤野絹代さん
体圧分散器具の開発
脳外科を扱う吉田先生の病棟では、脳外科手術を終えた患者さんは既存の枕で横向きになれない、という課題があります。傷口にあわせて形を変えやすく、適度な強度で体を支え、体圧を分散させやすいまくらをつくりたい、とチームで吸水性ポリマーとビニル袋と布で試作品をつくりました。回の中では、製品として使ってもらうために、適切な素材を検討するため、ウレタンやビーズ素材を扱う町工場とディスカッションを行いました。
テーマ提供者②:福山大学生命理工学部 山口泰典教授
生殖細胞の凍結技術を研究する山口先生は、バイオ系機器に様々な工夫を凝らしてつかっています。
以下の装置や器具についてディスカッションしました。
・既存の低速遠心分離器で後付して庫内を37度に保温しながら遠心分離できる装置
・フタがくもらないシャーレ
・細胞の剥離を促進するのに適した振動数と振幅で振動できる装置
テーマ提供者③:琉球大学理学部 本郷宙軌助教
サンゴ礁の地形を研究している本郷さんは水中で地形を測定する5mのものさしが日宇町です。
市販のもので、1m〜5mで折りたたんで持ち運びができるものがありますが、もう少しコンパクトにしないと輸送コストがかかります。 このものさしをもっとコンパクトに持ち運べるような形状にならないか、金属加工の町工場とディスカッションを行いました。